Tomigaya Travel

Travel is my life

24時間テレビ 嫌い。

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24時間テレビが今年もやってる。子供の頃だと「やばい、そろそろ夏休みの宿題やらなきゃ!!」と焦っていた。大人になると「そろそろ夏も終わりでそろそろ秋か?」という半ば風物詩のテレビ番組。かなりの長寿番組だから物心付いた頃からやってる気がする、多分少なくとも1980年代から。(調べたら開始は1978年らしい。)まだまだ日本経済がどんどん成長している時代から、失われた20年とかも乗り越えてまだ生き残ってるある意味お化け番組。
でもね、わたくしこの番組、嫌いなんですw
元々嫌いだったかと言われると記憶はないんだけど、ここ数年この番組を見ると違和感しか感じない。何となく「チャリティー番組だし、、、」とかそんな評価で続いて来た番組だけど、そもそも番組のテーマ、「愛は地球を救う」って何???
抽象的過ぎて全然意味が分からない。その答えをこの番組から教えてもらった事がない。チャリティーとは言え、さすがに「金は地球を救う」とは言いにくいから、「愛」ってオブラートに包んでいるのだろうけど、救うのが「地球」ってこれまたでかい、、
日本の民放番組が世界を救うってすごいw(個人的には日テレの報道姿勢はかなり好きで、割と保守的思想がマッチしているので。4と8は好きです!!5と6は嫌いです。でも今クールの6の日曜劇場は面白いので好きですw 6の日曜朝の報道番組は大嫌いw)

で、地球を救うべく番組がやっていることは、ざっくりこんな感じ。
「炎天下の中、沿道の声援を背に捻挫にも怪我にも打ち勝ってマラソンの完走する。」
たまにランニングの様子を見せながら普段の日テレの番組をコラボさせる。今年なんて大喜利に佐々木希まで出してw(むっちゃ見てるやんw)
この番組のコンセプトの「逆境に打ち勝って頑張る!!」みたいなのにマッチしてたんでしょ。余談ですが、このBlogのタイトルのTomigayaによく渡部夫妻が出没すると話題になってたんで、意外とご近所さんかもですw
で、大喜利が終わった頃にこの番組のハイライト、マラソンのフィナーレ。
売れてるか売れてないか分からない微妙なアイドルがZARDの「負けないで」を歌いながらランナーを応援する。(多分時間つぶしなんだろうけど)信号待ちしながら湿布貼ってもらってるランナーを映して視聴者のお涙頂戴。
会場の熱気が暖まって来た頃に武道館の周りの大観衆の声援を受けて、ランナーが武道館に凱旋する。
その頃にテレビで流れてるのがこの番組のテーマ、「サライ」。
加山雄三とか谷村新司が出て来て延々歌う。「何回桜吹雪飛んでんねん!!」って言いたくなるくらい。尺が決まってるからランナーが遅れるとそのままサビを延ばす運営になるので何度も何度もサビが流れる。番組終了前の30分くらいで一年分くらいの桜吹雪が聞ける。「さくらーふぶーきのー、サライーの空へ!!」って頭の中で無限ループ。

でもね、皆さん、「サライ」って何か知ってます???
多分知らないよね、僕も知らなかったのでさっき調べました。
ペルシャ語で「家」と言う意味らしい。まあこの番組のコンセプトにあったいかにもの言葉なんだろうけど、何でペルシャ語なん??よく分からない、、、
でもリリースされたのが1992年だから、湾岸戦争があった直後だからアラブからインスピレーションを受けて書いたんじゃないかな、、、(推測、、、、)

で、まあペルシャ語が由来なんて誰も知らないような歌を会場みんなで歌いながらランナーの到着を待つ。何度も何度も、ペルシャなのに「桜吹雪のー」を繰り返す。
ランナーが無事凱旋して番組は終了。
でもね、毎回徳光和夫が泣くんだよね。何に泣いてるか分からないんだけど、何か泣く。ランナーは自分がゴールしたことに陶酔して泣くのも何となく分かるし、「完走したから、よし、これでしばらく食っていけるわ!!」と感激の涙でもあるし。
でも、徳光、何で泣いてるねんwって見てていつも思う。

この番組のコンセプトは「感動的なシーンを意図的に作って、みんなで泣こう!!」。なんだろうか、、、それを率先するために徳光がいつも泣く演出をしている。

そもそもこの番組が生まれたのが1978年。(わたくしの生まれる2年前。)
まだまだ日本が「JAPAN AS NO1」の称号に向けて邁進している時代。
「もう少し立ち止まって、恵まれない人のことも考えようよ」的なコンセプトだったのだろうか。
でも、その当時って「とにかく前を向いて進め!!」が正しいとされていた時代だったから、よくその当時にこの番組が受け入れられたんだと今考えると少し驚く。
その後日本はバブルに入るけど、バブル期に「貯金箱持って並んで!!」って言うのが受け入れられてたのもある意味凄い。
震災とかネガティブな出来事が起きるとこういう番組が受け入れられるのは少し分かる気がするけど、花の80年代をずーっとこの番組が続いていたのが凄い。
こうやって書くと「24時間テレビを崇拝している」ように映るかもしれないけど、全然そんなことはなくて「やっぱり嫌い」なんです。

チャリティーってコンセプトはよく分かるし、24時間テレビ見てると確かに生まれながらにして障害を持った人のドキュメントを見ると応援したくもなる。
でも、この番組は結局最後マラソンで終わるんだよね。「サライ」の歌声とともに。
武道館でゲスト出演させて拍手させるような演出はあるんだけど、結局そこそこ名前の知れてる芸能人が、頑張ってマラソンゴールしました!!(ギャラももらえるしその後のテレビ出演も約束されてる)ってフィナーレになるからチャリティー的なものがかすんでしまう。
ドキュメント番組真剣に見てたら、突然しょうもないお笑いの前説に変わる感じ。
中島みゆきに「糸」を聞いてたら突然ドリカムが攻めて来る感覚か。
「ドリカム嫌い」ってのが前にトレンドになってて「何だ??」と思ってよく見たら、マツコデラックスがドリカム嫌いってのを言ってトレンドになったらしい。マツコデラックスは「ただ人の悪口だけ言って飯食ってる」から全然好きじゃないけど、「ドリカム嫌い」って言うのがトレンドになったのはなるほどなー、と思った。
世の中のトレンドとしたなかなか「ドリカム嫌い」って言いにくいし言わないよね。Dreams come trueって24時間テレビのコンセプトに似てて「世の中には悪い人いないよね、みんないい人だから手を携えて頑張って行こうよ!!」的な。すごーく前向きですごーくいい人を標榜する歌が多くて、何となく批判してはいけないようなテイスト。「ゆず」も似てるかも。透明感があって、「みんないい人だから頑張ろう!!」的な。
人間の生き様をを歌にすると、本質的には腹黒かったり人の事を貶めたりするかもしれないのに、何故かドリカムの曲にはそんなエッセンスは一切感じられない
「清く正しく生きて行こう!!」感が強すぎる。
多分24時間テレビ見ている感覚とドリカムの感覚が似てるんじゃないだろうか、、、

資本主義社会に生きていると、社会主義の標榜する「性善説」なんぞ考えている余裕はないのに「性善説」で生きている「24時間テレビ」、凄すぎる。
しかも報道姿勢的にある種「資本主義崇拝」的な日本テレビがこのドリカム的な番組を数十年間もやってきたことに驚きを禁じ得ない。

でもね、やっぱり日本人はこういう番組、好きなんですよ。「嫌い」ってタイトルで書いたけど、ちゃんと番組の流れも知ってるし、「サライ」の歌詞も知ってるしね。
何となく「型にはめてもらいたい」日本人にはもってこいの番組なんだと思う。
「さあ、みんなでお涙頂戴コーナーですよー、サライを聞きながら逆境を乗り越えたランナーがゴールするのを見届けましょう!!!」ってのに弱いんです。
実際は「さあ、みんな泣いてね。あわよくば(全然売れない)加山雄三と谷村新司の歌買ってねー。芸能人ランナーはこれからウハウハやで」ってのは考えないんだよね。
さっき号泣してた徳光さん、なんぼ印税もろてんねやー????って思わないもんw

今年はコロナで色んな価値観が修正されたり、ほんと色々大変です。
でも、24時間テレビが続いてるってこの現実は大事です。
だってこんな大本営発表みたいな番組が続いているんです。
徳光のギャラとか谷村新司の印税とか、夫の不貞の代償で健気に大喜利にまで出てる佐々木希チャンのギャラなんて関係ないんです。
日本人はお涙頂戴と全体主義が大好きなんです。
「欲しがりません、勝つまでは。」
「月月火水木金金」
そんな感じです。
コロナ問題、「何で日本人は感染が少ない」???
そんなの簡単です、日本人に国民性なんです。
「マスクしないと周りに迷惑掛けるから」

「マスクしないと怪訝な目で見られるから」
「自分がクラスターになりたくないから」
「みんなに迷惑掛けたくないから」
まさに全体主義ですね。自分が輪から離れたくない、自分だけ変な目で見られたくない、自分のせいでみんなに迷惑掛けたくない、自分の努力がみんなを救う。。。。
あれ??自分の努力がみんなを救う??「愛は地球を救う????」

なるほど!!!愛は地球を救うんだ?????
散々文句言ったけど、24時間テレビって最も日本人が日本人っぽくあるべく番組だったんんですね。ゴメン、日テレさん。これが5とか6なら「日本人の反省」って意味もない訳、分からない反省分付けた番組になってたんだろに、、、、

やっぱり24時間テレビ、嫌いじゃないかもw